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【感想文】上級国民/下級国民 橘玲 小学館新書 P238

昭和、平成はどんな時代だったのか
令和はどのような時代になっていくのかをタチバナさんが証拠*1をもとに自身の考えも加えながら わたしたちにそっと教えてくれる昭和、平成という時代の答え合わせ、そして令和の未来とは…

昭和の事実

日本は『松 竹 梅』、『一富士二鷹三茄子』など三段階に分けそれぞれの各級の呼び名として用いる言葉がある。
『上流階級 中流階級 下流階級』もその一つ約30年前までは日本の労働人口の約5割がサラリーマンだった。おそらくほとんどのサラリーマンや自営業者が中流階級と呼ばれていた
戦後、“団塊の世代*2が産まれ、育ち、社会へ出て、結婚し、産まれた子供が“団塊ジュニア*3と呼ばれている
団塊の世代の約5割がサラリーマンとして終身雇用・年功序列 歳を取るにつれて給与が上がり、定年60歳まで働き老後は悠々自適な生活を夢見てはげんで働いた
ところがもともと終身雇用・年功序列は日本から生まれたものではなく意外にもアメリカから輸入されてきた。 終戦後、日本の“イエ社会”がアメリカから輸入された終身雇用・年功序列にぴったり合い1950~70年代 高度経済成長の原動力となり西欧以外で初めて近代化に成功した。しかし、ほとんどの人が日本の高度経済成長は必然*4と考えていたが実際は偶然でたまたま日本が高度経済成長をして近代化したという
東アジア各国にも“キッカケ”があれば経済成長し先進国として発展する可能性を充分持っていた。現在、東アジアの各国は近代化し、時代が少しずれただけだった

90年代バブル崩壊

大企業が次々と倒産し団塊の世代の家計が破綻してしまうと日本の土台が一気に崩れ最悪のシナリオを避けるために日本国が巨額の公的資金*5を投入した
結果約20年後の上級国民/下級国民の誕生の“きっかけ”となり中流階級がなくなり分断が始まった

分断とは

 分けて別々にすること。分けてきれぎれにすること

 出典:三省堂 スーパー大辞林

三階級から二極化は『モテ=リア充』『非モテ=リア終』にもつながっていて世界中で分断が確認されている
よくタチバナさんの本には現代人は旧石器時代(約200万年前)のヒトと中身はなんら変わりがないのだということが書かれている
ヒトの中身は旧石器時代から何も変わらないまま今日(こんにち)まで生活をしてきたが生活の変化は約1万年前に農業革命が起こり狩猟から農耕へと生活が変わり人口は爆発的な勢いで一気に100倍にも膨れ上がった
つい最近では1800年代イギリスで産業革命が起こり*6 “豊かさ”が爆発的に増し、現在も進行中

平成バブル崩壊インターネット時代へ突入

1995年 Windows95が発売をきっかけに一般人にもパソコンが普及しはじめ簡単にインターネットへのアクセスできる時代となった
今ではほとんどの人が持っているスマホを使い地球の裏まで光の約半分の速さで情報が行き来できる時代となったがヒトは情報の多さに処理できずインターネットテクノロジーについていけない人たちもこぼれ落ちはじめている
バブル崩壊により今まで日本の工場が相次いで閉鎖となり 新しい工場も建てられたが工場閉鎖の数より少なく、賃金の安い海外に工場を移し単価の低い商品を作り、日本で低価格で日本人が購入しているのが現状

商品が安く手に入るが雇用は生れない

団塊の世代を守ることが最優先した政策で子どもである団塊ジュニア就職氷河期時代が約10年続き、希望に合った仕事ではない職業に就くのが大半であった
就職氷河期でも『正規社員』と『非正規社員』に分断された

令和

進化論では 最新のコンピューターは前世代のコンピューターの肩に乗ているという前世代の進歩が次の最新のコンピューターの進化を促すと“リチャード・ドーキンス”は語っている。 

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タチバナさんの作品も前回の作品の肩の上に最新の情報(新しい本を読み自身の考え)を書き加え進化させて出版されていると感じた。

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  • ボボズ(新上流階級)
  • サイバーリバタリアン(リベラルよりも知識が高く豊かなヒト)についても詳しく書かれている。

日本や世界は今どういった状況におかれているのかそして今後の日本、世界はどのようになっていくのかが予想されている
上級国民/下級国民を読み、情報を知ることによりきっと日本、世界状況の動きに興味を持つようになる衝撃な一冊となるでしょう。

上級国民/下級国民 (小学館新書)

上級国民/下級国民 (小学館新書)

  • 作者:玲, 橘
  • 発売日: 2019/08/01
  • メディア: 新書
 

 

 

あとがき

上級国民/下級国民の表紙をよく触ってページをめくっていただきたい
なにか違和感を感じる
白い表紙がやけに硬い((厚)))そっと白い表紙をめくってみると青い表紙が現れる
不思議だよく見ると白い表紙の裏、下の部分に帯デザインと記載されている2枚目の青い表紙の裏、下の部分にはブック・デザインと記載されていた

通常であれば本の帯は本体の約1/5~2/5ぐらいでそこに『●●万部の大ベストセラー ▲▲氏解説』などが書かれているが上級国民/下級国民の“帯”は本の表紙と同じ大きさとなっているが本と同じ大きさの白い帯と青い表紙が重なっているもしかしたらこれも“白い帯”と“青い表紙”で『上級、下級』 

つまり分断を表しているかもしれない!謎だがとても興味深かったのでどうしてもお知らせしたかった

本文も『です』『ます』調で書かれている

また、上級国民/下級国民を読み終えて どこかでこの本の一部の内容を聞いた覚えがあった

タチバナさんのTwitterアカウント @ak_tch にて

生物地理学会の市民シンポジウムで講演します。 4月13日(土)13:00~ 東大中島記念ホールです。2017年の講演者はノーベル物理学賞益川敏英さんで、私でいいのか、という感じですが。たくさんのご参加を期待しています

 2019年4月13日 タチバナさんが講演をするということを知った
こういったら失礼かもしれないがタチバナさんはこの世の中に存在しなく架空の人物で本の内容はゴーストライターが書いているのではと本気で思っていた

橘玲

タチバナアキラ』という名前はラジオで本の紹介で聞いて頭に残っていだが漢字が解らなかった。ネットで検索して『タチバナアキラ』は『橘玲』と書くんだと認識したほどだ
タチバナさんの言葉を借りればわたしも想像力が乏しいので実際この目で拝見し、どんな人物で、どんな講演をするのかとても興味を持ち勇気をもって応募した

当日 橘玲は存在した。

お話はできませんでしたがとても紳士的な方だなと感じました
講演「リベラル化する世界の分断」を拝聴
どこかでこの本の一部の内容を聞いた覚えがあったとは講演「リベラル化する世界の分断」のことでこの「リベラル化する世界の分断」をもとに新書として出版されらのだというチャンスなどほとんど来ないのだが今回は奇跡的にお会いすることができた

私にとって貴重な一日でした。

 

*1:エビデンス

*2:1947~49年に約800万人

*3:1971~74年

*4:日本人は勤労、勤勉、優秀だからと考えている わたしもそう思った

*5:税金

*6:P149 図表16参照

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